ボカロPとして今まで数々のヒット作を生み出し、人々の希望の光となってきたOrangestarさんと、奥様であるイラストレーターの夏背さんから、お二人の過去と作品づくりの原点、そして出会いに至るまでを独占インタビュー!
記念すべき第一回は、小学生時代にまでさかのぼってお話をお聞きしました。
果たして、お二人はどんな子供時代を過ごされたのでしょうか?
──それでは、これからお二人にインタビューしていきたいと思います!本日はよろしくお願いします。
夏背(以後、「夏」)・Orangestar(以後、「オ」):よろしくお願いします!
Orangestarの子供時代
──ではまずOrangestarさんからお聞きします。どんな子供時代を過ごされましたか?
オ:私は、ものすごく無口な子供でしたね。
皆の前で自分の意見を言ったりするのが本当に苦手で、あてられてもずっと黙り込んじゃってたり、作文とかも、一言も書かずに提出したりして、先生たちが本当に困ってましたね。
──そうなんですか!それはどうしてですか?
オ:そもそも、自己表現が苦手で恥ずかしかったのと、あとは「これを言ってどうなるんだ」というちょっとした反抗心とか・・・・・・。笑
ささいなこともつい考え過ぎちゃうんですよね。
自分で思ったことに対して、周りの誰かに否定される前に、心の中で別の自分が出てきて先にそれを否定してしまうみたいな。
数学とかの、最初から答えが決まってる質問は大丈夫だったんですが。
──そうすると、道徳とかは苦手だったんじゃないですか?
オ:そうですね、苦手でした。模範解答みたいなものはなんとなくわかるんだけど、それを言いたくないというか。ちょっとひねくれてましたね。
──でも、そうやって人一倍普段から物事を考えていて、教科書通りにはならない思いや葛藤を抱えて生きてきたからこそ、Orangestarさんはそれを、自分にしかない光として人の心に届く歌詞が書けるのかもしれませんね。
小さい頃からご両親と教会に行かれていたようですが、学校だけでなく教会でもそんな感じだったんですか?
オ:そうですね。大勢の前でするお祈りとかお話とかも、苦手でしたね。
──それはどのくらいまで続いたんですか?
オ:小学生の頃はずっとそんな感じでしたね。中学高校くらいからある程度、自分の中で納得しきってはいないけど、とりあえず何か言ってその場をしのぐみたいなことはちょっとずつできるようになってきました。
──少し大人に近づいて、使える武器が増えたイメージでしょうか。
オ:どうなんでしょうね。中学生になってから少しずつ本を読むようになって自分の表現したいことを言葉にできるようになったり、あとはバレーボールを始めてから自分にちょっと自信が付いたっていうのはあると思います。ただ、今でも自分の根っこの部分は変わっていないと思います。
──なるほど。ちなみに、やっぱり音楽の授業は好きだったんですか?
オ:そうですね、音楽自体は好きだったんですが、授業は得意というわけではなくて成績は普通でした。
──それは意外ですね!じゃあ、習い事で歌やピアノをしていたことは?
オ:小中とピアノを習ってましたが、あまり真面目に練習はしていなかったので、一向に上手くはならなかったですね。笑
でも最終的には、そのピアノが高校受験の助けになりましたし、その後、父親に買ってもらった作曲用ソフトとパソコンが作曲を始めるきっかけになりました。昔から一人で絵を描いたり何か作ったりするのは好きだったので、作曲も最初はその延長という感じでした。
──なるほど。どんな経験がその後の光に繋がるかわかりませんね。
夏背の子供時代
──では、次に夏背さんの小さいころの話をお聞きしましょうか。
夏:私は、彼(Orangestarさん)とは真逆で、学級委員や生徒会に積極的に立候補するタイプの子でした。道徳の授業も好きでした。一つ質問されると、自分の意見をプリントの裏まで毎回ビッシリ書いていました。考えすぎる、という点では私と彼は根本は似ているのかなと思います。
あと、中学生の時、夏休みの読書感想文で原稿用紙が5枚配られて、先生に「これ5枚以上書いてもいいんですか?」って聞いたら「いいよ。」って言われたので、30枚書いていったこともあります。
──30枚!?
夏:そしたら、職員室に呼び出されて、「多すぎる。」と書き直しになりました。笑
オ:私は読書感想文、夏休みの苦行でしかなかった。
夏:私は宿題の中では一番好きだったなぁ。
──そうだったんですね。(笑)
ちなみに夏背さんは、小さい頃から読書は好きだったんですか?
夏:好きでしたね。ハリー・ポッターや児童文学を小さい時から読んでいました。
あと、私も小学生の時は、一つの楽器だけじゃなくてピアノや、ドラムやアンサンブルっていうバンドみたいなものを習っていました。学校が終わるとそのまま音楽教室に行って、夜までレッスン、という生活を送っていました。学校でも金管バンドに入っていたので、小学生の時は音楽漬けの日々でした。
──夏背さんも音楽を習っていたんですね。歌はどうでしたか?
夏:歌は得意ではなかったです。
地声が低いので、周りの女の子と声のトーンが合わないんです。学校の合唱コンクールも口パクで出るくらい、歌には苦手意識がありました。でもそんな私が今は歌を歌っているので、人生何があるか本当にわからないです。
(次回へ続く)
対照的な子ども時代を過ごされたお二人ですが、次回は、夏背さんの身に降りかかった大きな試練と、そんな彼女を支えることになるOrangestarさんの楽曲がいかにして作られたのかについてインタビューしていきます!