社会への貢献

CONTRIBUTION TO SOCIETY

神は多くの場合、周りの人を通してわたしたちの祈りに答えてくださいます。
わたしたちも、自立し奉仕することを通して、だれかの祈りの答えになることができます。

神と、自分と、人を愛すること

「もっとも大切ないましめは何ですか」と聞かれて、イエス・キリストはこのようにお教えになりました。

「『心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ。』これがいちばん大切な、第一のいましめである。第二もこれと同様である、『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』」(新約聖書マタイ22:37-40ガラテヤ5:14も参照)

イエス・キリストの最も大切な教えは、神を愛すること、そして、自分を愛するように人を愛することです。

神を愛するとき、神の子である周りの人々のために自分にできることを行いたいと望みます。そのためにはまず、自分自身を愛し大切にすること、そして自立することが欠かせません。

末日聖徒イエス・キリスト教会では、自分自身が健康で幸福な人生を送るために、また家族や周りの人がそうできるように助けるために、一人一人が自立の原則に基づいて生活するように教え、それを実践する助けとなる具体的な方法やリソースを提供しています。

自立の原則

教会では、以下の原則に基づいて自立を助けています。

1.霊的な力

祈りや聖典の研究、イエス・キリストに従った生活、自分にできる奉仕を通して霊的な力を養います。神との関係を強めることにより、自分には神から与えられた使命があり、その使命を果たすうえで神が助けてくださるという信仰や希望を強め、自分への信頼を増し加えることができます。

2.心身の健康

この教会の特徴的な教えの一つが「知恵の言葉」です。アルコールやタバコ、コーヒーなど、有害で常習性のあるものを採らないこと、健康的な食物を採ることによって、体と霊が守られ、「知恵」が増し加えられると信じています。定期的な運動や十分な睡眠、健康的な体重を維持するように努めること、家族やほかの人々と健全な関係を築き、強めることで、心身の健康を守ります。

3.教育と雇用

イエス・キリストは、「神の栄光は英知である」と教えられました(教義と聖約93:36)。また、「研究によって、また信仰によって学問を求めなさい」と教えておられます(教義と聖約88:118。教義と聖約130:18も参照)。教育や職業訓練は、雇用へとつながり、個人や家族の必要を満たせるようになります。働く能力を高めることは、自分の家族や教会、世の中に貢献するのに役立ちます。熱心に働き、すべての行いにおいて正直であるように勧められています。(『教義と聖約』は、『聖書』『モルモン書』と並んで、教会の標準聖典として用いられている書物です。)

4.物質的な備え

財政管理と家庭における生産と貯蔵により、必要なときに、自分や家族、そのほかの人々を世話することができるように、様々な面で備えることができます。そのために必要な計画を立てるようにも勧められています。

宗教教育

インスティテュート

主に18〜30歳の成人を対象とした教育組織で、聖書、教会の教義、歴史、結婚の備え等の科目が履修できます。教育以外のレクリエーション活動も行います。全国各地で受講可能です。

セミナリー

中学3年生から高校生のための4年制教育プログラム。宗教、宗派にかかわらず10代の青少年が受講できます。全世界で35万人が受講しています。旧約聖書・新約聖書・モルモン書・教義と聖約の4科目が提供されています。

永代教育基金

2001年3月に設立され、発展途上国の特定の地域において教育、職業訓練の機会を提供しています。教会員の献金を主な財源とするこのプログラムは、学生に教育ローン、短期職業訓練や技能習得訓練を提供することにより、地元の学生がさらに良い職業に従事し、ローンを受けた学生が就業後に教育ローンを返済することで、将来、より多くの学生にこれらの機会を提供できるようにしています。現在この教育ローンは75か国で受ける事ができます。

福祉及び自立支援サービス

教会では、自立を支援するための様々な取り組みを行っています。

アメリカで取り組まれている自立支援の一つにウェルフェア・スクエアという施設があります。緊急時や福祉支援に必要な物資を製造し保管する場所であり、同時に就労支援が必要な方々に様々な働く機会を提供しています。

その他の福祉サービスとして、支援に使われる食料や生活必需品が置かれているビショップの倉庫と呼ばれる100か所以上の施設をはじめ、食品加工工場、農園がアメリカおよびカナダにあります。ユタ州ビショップの中央倉庫とデゼレト製粉・パスタ工場があります。

ウェルフェア・スクエアの取り組みを短くまとめたビデオをご覧ください。

Welcome to Welfare Square | ウェルフェア・スクウェアへようこそ

わたしたちは,人を助け,励まし,慰めることによって,イエス・キリストに従うよう努力しています。ソルトレーク・シティのウェルフェア・スクウェアのバーチャルツアーで,教会が困っている人々を世話するために行っていることについて詳しく知ることができます。

また、世界各地で行われているプログラムとして以下のようなものがあります。

この中の一つ、「レジリエンスを高めるプログラム」は、最近新たに追加された自立支援プログラムで、教師から学ぶのではなく、参加者それぞれがワークブックにある、「読む」「書き出す」「話し合う」などの課題に沿って、主体的に参加し、グループワークを交代で導くことを通して、健全な思考パターン、ストレスや不安への対処、怒りの克服、健全な人間関係を築くことなど,人々を力づける方法を学び、霊的および実践的なスキルを身につけます。

Emotional Resilience Training Is Now Offered Globally

動画(2分14秒)英語のみ

この他、家族を支援するファミリーサービスでは以下のようなプログラムを提供しています。

人道支援奉仕

末日聖徒イエス・キリスト教会の人道支援活動は病気や貧困、内戦や自然災害などで絶望し苦しむ世界中の人々のために人種・国籍・宗教の枠にとらわれることなく支援および開発プロジェクトを行っています。

世界各地で行われている人道支援についてのワールドレポート(ダイジェスト版)10分をご覧ください。

末日聖徒イエス・キリスト教会 2021年ワールドレポート(ダイジェスト版)

オリジナル版(44分)はこちらからご覧いただけます。

人道援助には地震や津波などの自然災害、 または戦争や飢饉などの人工的な災害への緊急対応があります。また、 病気を軽減する必要など、 人々の生命や幸福、健康に関わる重大なニーズを満たすために、長期的な取り組みも行っています。

救済活動を可能にするための資金はおもに教会員からの寄付でまかなっていますが、寄付は世界中の人々からも提供されています。教会の人道支援奉仕に対する寄付金は、100パーセント支援活動に充てられます。管理業務などにかかる費用はすべて、教会の別の基金でまかなっています。(詳しくはこちらを参照:人道支援奉仕 (churchofjesuschrist.org))

末日聖徒チャリティーズ

教会の人道支援活動は1985年、当時のエズラ・タフト・ベンソン大管長が飢饉にあえぐエチオピア国民を助けるために、特別な断食を行って基金を集めることを呼びかけたことから正式に始まりました。それ以来、「末日聖徒チャリティーズ」は単独で、あるいはカトリック・リリーフ、イスラム・リリーフ、国際ロータリークラブ・世界保健機関、国連難民高等弁務団体などの団体とも提携しつつ、195か国に住む何百万人もの人々に対して以下のような支援を行っています。

末日聖徒チャリティーズ活動Latter-day Saint Charities (latterdaysaintcharities.org) (英語のみ)

・食糧安全保障

食料生産、食料貯蔵、栄養トレーニングなどのプロジェクトを通じて、家族の健康と福祉を向上させる地域社会の取り組みを支援する。

・衛生的な水の確保

コミュニティに清潔な水源、改善された衛生設備、適切な衛生トレーニングを提供する。

・緊急人道支援

世界各地の自然災害、内乱、飢饉などの被害を軽減する。

末日聖徒チャリティーズは、世界規模で新型コロナウイルス感染症の対応を行うユニセフのサポートに2000万米ドル(約20億円)を支援。(2021年3月2日付けニュース記事。詳しくはこちらを参照:末日聖徒チャリティーズ、世界規模で新型コロナウイルス感染症の対応を行うユニセフのサポートに2000万米ドルを投ずる (churchofjesuschrist.org))

・予防接種

予防接種サービスへのアクセスを改善することで、生命を守り、特に子どもたちの健康を守る。これまでの取り組みにより、予防接種を受けた子どもの数が増加し、麻疹、風疹、母子・新生児破傷風、ポリオ、下痢、肺炎、黄熱病で失われる命の数が減少している。

・妊産婦と新生児のケア

出産時の新生児の蘇生、新生児のケアの支援、妊産婦の生存率の向上のために、産婦に救命トレーニングと機材を提供する。

・難民支援

世界の難民・避難民を支援する。末日聖徒 チャリティーズは、「緊急支援」「長期支援」「定住支援」の3つのアプローチで難民問題に取り組むために、信頼できる国内外のさまざまなパートナーと協力して、難民の支援を行っている。

末日聖徒チャリティーズは、ウクライナ支援のために、国連UNHCR(難民高等弁務官事務所)と国連WFP(World Food Program)を通じて、400万米ドル(約4億円)を送っている。

・ビジョンケア

医療機関で働く視覚の専門家を指導することで、貧しい人々への眼科医療サービスを強化し、回避可能な失明や視覚障害を予防する。また、これらの眼科専門家やプログラムに対して、機器や消耗品、組織的な支援を行っている。

・車椅子の寄贈

身体に障害を持つ人々の移動性、健康、教育・経済的機会の向上を目指して活動している。

ヘルピングハンズ

ヘルピングハンズ・プログラムは、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員とその隣人たちが協力し合って地域奉仕を提供するものです。トレードマークの黄色いTシャツを着たボランティアたちは、自然災害やその他の緊急事態に見舞われた人々を助けます。また、政府や非営利団体と協力して地元の地域社会の支援と改善のために働きます。 

この取り組みの資金や資材は教会の人道支援奉仕から提供され、様々なプロジェクトが地元の教会指導者により調整されます。

ヘルピングハンズ・プログラムは1998年に創設され、以来、何十万人ものボランティアが何百万時間もの奉仕を地域社会のために捧げてきました。このプログラムは南アフリカで始まりましたが、その後ほぼ世界各地に広がっています。(詳しくはこちらから:モルモンヘルピングハンズ (churchofjesuschrist.org))

日本においても、様々な災害や必要に応じて、教会内外の人々がこのプログラムに参加し奉仕活動を行いました。

イエス・キリストは聖書の中でこのように教えておられます。

「わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである」 (新約聖書マタイ25:40

また、神は非常に多くの場合、周りの人を通して祈りの答えを与えてくださいます。

そのために、様々な備えをして自立することが、神と自分と人々を愛することにつながります。

わたしたちは、祈り、日々の生活の中で、自分にできる小さな方法で行動することで、だれかの祈りの答えになることができるのです。

教育

末日聖徒イエス・キリスト教会は、学問を自立と幸福、また奉仕する上で欠かせないものであり、非常に重要なものと考えています。

ブリガム・ヤング大学系列校短大・大学

教会を母体とするブリガム・ヤング大学は、全米でも高い評価を受けています。現在、ユタ州プロボ市、アイダホ州レックスバーグ市、ハワイ州ライエ市に大学があり、それぞれ特徴的な教育を提供しています。他のアメリカ大学と比較して非常に学費が安価で、安全な環境であることなどから、留学生にとっては非常に高い人気があります。

・ブリガム・ヤング大学(ユタ州プロボ)

1876年にブリガム・ヤングにより設立され、現在約33,500人の学生が学んでいます。

大規模なキャンパスを構え、180以上の専攻があり、教育のレベルも高く就職率が良いことで知られています。

・English Learning Center: ELC

English Learning Center: ELCはブリガム・ヤング大学のキャンパス内に位置し、大学入学に必要な英語の学力と会話力を養成するための語学学校です。

・BYUヤングアンバサダー

ブリガム・ヤング大学の学生の中から何回にも及ぶオーディションで選ばれた、歌唱力とダンス、演技力に優れた20名のパフォーマーと5名のライブバンドメンバー、9人のテクニカルスタッフからなるチームです。アメリカ各地はもちろん、1970年に大阪で開催されたエキスポを皮切りに世界67か国で心躍る歌とダンスを披露し、非常に高いパフォーマンスとフレンドリーな交流により各国の人々との友好を深めています。メンバーの多くが卒業後ブロードウェイで活躍しています。インド首相、タイ国女王、ヨルダン国王ご夫妻の前でパフォーマンスしました。2020年5月には日本での公演が予定されていましたがコロナのために中止になりました。次回の訪日が楽しみです。

A Million Dreams | BYU Young Ambassadors | 50 Years of Touring Throughout the World

動画(4分30秒)英語のみ

・ブリガム・ヤング大学ハワイ校(ハワイ州ライエ市)

アジアやポリネシア諸国からの学生が多く74か国以上の国々から学生が集まり、国際色豊かであることが特徴です。

ハワイを訪れた方の中には、ポリネシア・カルチャー・センターに足を運ばれた方も多いのではないでしょうか。この施設は末日聖徒イエス・キリスト教会がポリネシアの文化を大切に継承することを目的に作りました。同時に、ブリガム・ヤング大学ハワイ校で学ぶ学生が、学びながらここで働き学費を稼ぐことができるように支援するという目的もあります。若い学生たちの多くは、18か月又は2年間大学を休学し、ボランティアとして世界各地で奉仕をし、その後また復学します。ポリネシア・カルチャー・センターに多くの言語に対応したツアーガイドがいるのは、そのためなのです。

Voyage Deeper: ハワイとポリネシアの魂がここに

ポリネシア・カルチャー・センターのプロモーション動画のフルバージョンです。

・ブリガム・ヤング大学アイダホ校(アイダホ州レックスバーグ市)

BYUの中で最も新しいキャンパスですが、現在では最も大きな規模に拡大しています。教育者と学生たちの距離が近く、生活費が安いことも大きな強みです。特筆すべきは、オンラインでアメリカの大学で学び、学士号、準学士号が取得できることです。

・BYUパスウェイ・ワールドワイド

BYUパスウェイ・ワールドワイドは、これまで大学教育を受ける機会に恵まれなかった方に門戸を開く画期的な教育プログラムです。

このコースに登録するための学歴は問われません。BYUパスウェイ・ワールドワイドをB以上の成績で終了できれば、ブリガム・ヤング大学アイダホ校に入学でき、手ごろな価格で良質な授業を全てオンラインで受講することが可能で、専門学校課程や学士号や準学士号など学位習得の機会が提供されます。

もちろん、年齢、宗教にかかわらずどなたでも受けることができます。

定期的に説明会も開かれています。詳しくはこちらをご覧ください。

MY FUTURE | すべての学びが未来につながる

・エンサインカレッジ

ソルトレークシティの中心に位置し、「卒業後、すぐに働きだせる速戦的な技術の育成」を掲げて、実践的な職業プログラムを提供しています。会計学、起業家、グローバルサプライチェーン、ソーシャルメディアマーケティングなど人気のビジネス分野の他に、IT系のソフトウェア開発、システム分析、インテリアデザイン学部やメディカルアシスタント学部、統合科目などがあります。